屋根葺き直しってどんな工事?費用相場やメリット・デメリットを徹底解説

MENU

屋根葺き直しってどんな工事?費用相場やメリット・デメリットを徹底解説

屋根葺き直しってどんな工事?費用相場やメリット・デメリットを徹底解説

屋根のリフォームを検討された際、業者に勧められるのはほとんどの場合で「屋根葺き替え」か「カバー工法」の二択になります。
しかし、3つ目の選択肢として「屋根葺き直し」という工法があります。
葺き替え工事と名前が似ているので慣れない人からすると若干ややこしいですが、葺き直し工事が採用できる屋根であれば葺き替え工事より費用を抑えて施工が可能です。
このページでは、屋根葺き直しは葺き替えとは何が違うのか、そして屋根葺き直しの費用相場やメリット・デメリットなどを徹底解説します。

リフォームを成功させるための秘訣とは? リフォームで失敗しないための読本プレゼント

「屋根葺き直し」ってどんな工事?

「屋根葺き直し」ってどんな工事?

屋根リフォームには、「屋根葺き替え」「カバー工法」とは別に「屋根葺き直し」という工法が存在します。
では、この「屋根葺き直し」とは一体どんな工事なのでしょう?

「屋根葺き直し」は屋根葺き替えと何が違う?

屋根リフォームにおいて「屋根葺き直し」とは、屋根材まですべて新調する「屋根葺き替え」とは異なり、下地の野地板や防水シート(ルーフィング)のみを新品に取り替え、屋根材は再利用する工法を指します。
具体的には、既存の屋根材を一旦すべて取り外し、下地板金や野地板、防水シートを新調した後、再び取り外した屋根材を元通りに組み上げるといった工程です。

下地や防水シートを新調・修繕し、屋根材も新しいものへと取り替える「葺き替え」と違い、取り外した屋根材を再度組み直すため「葺き直し」と呼ばれる訳です。
屋根葺き替えについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。

「それなら葺き直しじゃなく、葺き替えですべて交換した方が良くない?」と思われるかもしれません。
もちろん屋根材まで新調する屋根葺き替えの方が、屋根のリフォーム・メンテナンスという意味では効果が上なのは間違いありません。

しかし、日本でも代表的な屋根材である瓦は非常に耐久性が高く、その耐用年数は50〜60年、しっかりとメンテナンスを行えば半永久的に使用できるとされています。
ただしこれはあくまでも屋根材である瓦だけの話で、その下に敷いてある下地や防水シートはそういう訳にはいきません。
防水シートの耐用年数は長くても20年程度で、瓦よりもかなり先に寿命を迎えますし、もし防水シートの機能が劣化したまま放置すると、雨水は建物内部に侵入し下地を腐食させてしまいます。
このような場合に、まだまだ耐用年数が残っている瓦は再利用し、下地や防水シートだけ新調する「葺き直し」を行うのです。

「屋根葺き直し」を行う目的とは?

前項で、まだ利用できる屋根材を再利用するのが屋根葺き直しだとお伝えしました。
葺き直し工事を行う一番の目的は費用削減です。

屋根葺き替えを行なった場合、屋根材も新調するので当然新しい屋根材の費用が工事金額に上乗せされます。
さらに、既存屋根材を撤去するための作業費、そして不要になった屋根材の処分費用も発生します。
「新しい屋根材の代金」「既存屋根材の撤去・処分費用」、この2点が屋根葺き替えが屋根リフォームの中で最も高額な工法になる大きな理由です。

しかし葺き直し工事であれば、屋根材は再利用するためにこれらの費用は発生しません
そのため、葺き直し工事は葺き替え工事と比べて、大きく工事費用を抑えることができるのです。

「屋根葺き直し」はどんな屋根でも行えるの?

屋根葺き替えと比べて、大きく費用を抑えることができる屋根葺き直しですが、どんな屋根であっても行える訳ではありません

上述のように、瓦であれば耐用年数は50〜60年と非常に長く、防水シートの耐用年数である20年前後で葺き直し工事を行ったとしても、屋根の耐用年数はまだ30年以上残っています。
さらに20年後に葺き直し工事を行っても、それでもまだ10〜20年耐用年数が残る計算になります。

しかし瓦以外の屋根材、例えばスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)の耐用年数は20~30年です。
仮にスレート屋根に葺き直し工事を行い、下地・防水シートは新品になったとしても、屋根材の耐用年数はもう残っていません。
屋根の内部だけ綺麗になっても屋根表面の屋根材が寿命を迎えてしまっていては意味がありませんし、せっかく工事を行ったにも関わらず何かしら不具合がすぐに発生するのは容易に想像できるかと思います。

そのため、葺き直し工事が行えるのは、

  • 釉薬瓦
  • 素焼瓦
  • いぶし瓦
  • 天然スレート

このように、ほとんどの場合で瓦に限られます
釉薬瓦・素焼瓦・いぶし瓦の3つについては、一般的に日本瓦と呼ばれる街中でもよく見かけるタイプの瓦であり、製造方法こそ違いますがいずれも耐用年数は非常に長いです。
また天然スレートは、天然の石を使用した屋根材で割れない限り半永久的に使えるとされており、耐用年数も50年以上となっています。

この中で、注意が必要なのがいぶし瓦です。
いぶし瓦は製造から50年以上経過すると劣化が進行すると言われているため、新築から50年以上経過した建物での葺き直し工事はおすすめできません
50年以上経過している場合は、葺き直し工事ではなく葺き替え工事を行い、いぶし瓦以外の屋根材へ取り替える方が良いでしょう。

屋根葺き直しにかかる費用相場はいくら?

屋根葺き直しにかかる費用相場はいくら?

屋根葺き直しを検討されている方にとって、一番気になるのは「屋根葺き替えを比べてどれくらい費用が抑えられるのか?」ではないでしょうか?

首都圏での持家の平均延べ床面積は、およそ115.7㎡(坪換算35.06坪)とされていますが、屋根葺き替えは30坪〜35坪ほどの戸建住宅ならば100~180万円が費用相場となります。
ただし、この金額は「瓦からスレート屋根」「瓦から金属屋根」「スレート屋根から金属屋根」など、様々なパターンの葺き替え工事の平均値となっています。
屋根葺き直しは既存屋根はそのまま再利用するので瓦屋根は瓦屋根のままですが、同じ条件の「瓦から瓦」へ葺き替えた場合の費用相場は100〜250万円となっています。

一方、屋根葺き直しであれば、屋根葺き替えと比べて「新しい屋根材の材料費」「既存屋根材の撤去・処分費用」が発生しないため、大きく費用を抑えることが可能です。
同条件の30坪〜35坪ほどの戸建住宅なら、80~200万円が費用相場となります。

この費用相場を見た際、相場の振り幅が大きいように感じるかもしれません。
屋根に瓦を葺く際、比較的築年数が浅い建物であれば、桟(さん:屋根下地の上にわたす横木)を取り付けて瓦の取り外しが容易になっているケースも多いです。
しかし、築年数の長い古民家などの場合、瓦を葺くのに土葺き工法が採用されているケースが多く、土の撤去費用が追加で発生する場合があります
土葺き工法とは昭和初期〜中期まで主流だった工法で、屋根の上に大量の土を敷き詰めてそこに屋根瓦を固定する工法です。

このように、一口に瓦屋根の葺き直しといっても、そもそもどういった工法で瓦が葺かれているのかによって工事費用は大きく変わってきます。
また、瓦の種類によっても工事費用は変動するので注意しましょう。

屋根葺き直しを行うメリット・デメリットは?

屋根葺き直しを行うメリット・デメリットは?

ここまで解説してきたように、屋根葺き直しは様々な制約こそあるものの、施工が可能であれば費用を大きく抑えることができる工法です。
ではここで改めて、屋根葺き直しを行うメリット・デメリットを見ていきましょう。

屋根葺き直しを行うメリット

屋根葺き直しを行う最大のメリットは、繰り返しになりますがやはり葺き替え工事と比較して工事金額を抑えることができるという点です。

「屋根葺き替え」であれば既存屋根材は処分するため撤去・処分費用が発生し、その費用が工事金額の多くを占めます。
一方で「屋根葺き直し」は既存の屋根材は再利用するため、撤去・処分費用は不要な上、新たな屋根材の材料費も発生しません

また、屋根葺き直しを行う際は、ほとんどの場合取り外した瓦は屋根から降ろさず、屋根の端などに積み上げて工事を進めていきます。
これは、すぐに再利用する屋根材をわざわざ降ろす必要が無いためですが、施工の手間が大きく省けるのでその分工期も短くなります

屋根リフォームを行う際、「美観も綺麗になった方が良い」と思われる方もいらっしゃるますが、一方で「昔ながらの風情を残したい」と考える方もいらっしゃいます。
屋根葺き直しであれば既存屋根材を再利用するため、施工の前後で建物の外観が変わることがありません
そのため、「昔ながらの風情・歴史を残したい」「ピカピカな外観は嫌」という人には屋根葺き直しがおすすめです。

屋根葺き直しを行うデメリット

屋根葺き直しの最大のデメリットは、施工可能な屋根材がほぼ瓦だけに限定されるという点でしょう。

瓦は陶器であるという性質上、耐用年数は50年〜60年と非常に長く、破損さえ無ければ半永久的に使用可能な屋根材としては非常に優秀な素材です。
しかし、瓦以外の屋根材はそうではありません。
カラーベストやガルバリウムといった金属屋根の耐用年数は、どんなに長くても30年程度です。
例えば新築から20年を迎えて屋根のメンテナンスをしようと考えた場合、せっかく下地や防水シートだけ新品に取り替えても、耐用年数が残りわずかな屋根材を再利用してしまってはメンテナンスとしての意味が無いのです。
この場合、行うべきは屋根葺き直しではなく屋根葺き替え、あるいはカバー工法です。
屋根葺き直しは、耐用年数が非常に長い瓦だからこそできる工法と言えますね。

このように、屋根葺き直しが可能かどうかは、屋根材の耐用年数に大きく影響を受けます。
工事を行うにあたり、基本的には瓦の耐用年数は50〜60年ですので大丈夫な場合の方が多いですが、お住まいを取り巻く自然環境は地域によって異なり、結果として瓦の耐用年数も地域によってバラつきがあります。
「既存の瓦を再利用して大丈夫か、瓦も取り替えた方が良いのか」の判断は、専門的な知識と経験を持った屋根修理業者に任せるようにましょう

また近年では、地震対策として重量のある瓦屋根から軽量な屋根材へと葺き替えを検討されている方も年々増えています。
瓦はスレート屋根の約4倍、金属屋根の約10倍と屋根材の中でもトップクラスに重たい屋根材です。
屋根材が重たいということは当然屋根全体の重量が増してしまい、屋根が重たければ重たいほど地震の際の揺れの影響を受けやすくなってしまいます。
屋根葺き替えであれば、新しい屋根材は自由に選ぶことができるため、ガルバリウムなどの軽量な屋根材、あるいは見た目こそ瓦だけれど軽い軽量瓦を採用することが可能ですが、屋根葺き直しであれば瓦のままです。
建物の耐震性が気になる方、いつか来る地震に備えて対策をしたいという方は、屋根葺き替えを選んだ方が耐震性向上という意味では効果的ですので覚えておいてください。

屋根葺き直しってどんな工事?まとめ

屋根葺き直しは、施工にあたってデメリットもありますが、費用を抑えることができるという大きなメリットもあります。

  • 既存屋根材が瓦の建物に住まわれている方
  • 施工前後で外観が変わらなくても大丈夫な方

は、屋根葺き替えカバー工法と併せて、屋根葺き直しを検討してみても良いかもしれません。
様々な工法での見積もりを比較検討することで、よりお得に屋根リフォームをすることができるでしょう。

リフォームを成功させるための秘訣とは? リフォームで失敗しないための読本プレゼント 外壁塗装・屋根塗装のかんたん見積もりシミュレーション 塗装工事のカラーシミュレーション 無料承り中! 関東・東海エリアのリフォームに関する助成金・補助金情報 【2023年最新】水道修理業者おすすめランキング【東京・神奈川・埼玉対応】

カテゴリー一覧

リフォームで失敗しないための読本』
問い合わせいただいた方全員に無料プレゼント中!

お問い合わせはこちら
TOP