ファイン4Fセラミックってどんな塗料?
ファイン4Fセラミックは、国内の大手塗料メーカー「日本ペイント」が製造・販売しているフッ素塗料です。
2005年の販売開始以来、多くの塗装業者から支持を受けているフッ素塗料のロングセラーになります。
実際、お客様からの評判が良いのはもちろん、現場でこの塗料を使用している職人からの評価も高いです。
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そんなファイン4Fセラミックにはどんな特徴があるのか、順に見ていきましょう。
ファイン4Fセラミックの特徴について
まずはファイン4Fセラミックの最大の特徴とも言える成分についてです。
ファイン4Fセラミックの分類名は「ターペン可溶2液超低汚染形4フッ化フッ素セラミック変性樹脂塗料」。
聞き慣れない難しい単語が並ぶので少しややこしく感じますが、順に紐解いていきましょう。
まず「ターペン可溶2液超低汚染」についてです。
「ターペン可溶」は「弱溶剤系」とも表現されることがあり、ターペンとは灯油に近い成分である石油炭化水素により組成されたシンナーのことです。
塗料は大きく分けて水性系・弱溶剤系・強溶剤系の3つに分類されます。
水性系は塗装時にシンナー臭を発することが無い環境に優しい塗料ですが、塗料の強さでは溶剤系に劣ります。
一方で強溶剤系は、塗装時に強烈な刺激臭を伴いますが、塗料の耐久力では最高の仕様となり、容易に再塗装できない橋梁やタワーなど大規模な建築物によく採用されます。
そして弱溶剤系、すなわちターペン可溶の塗料は、水性系と強溶剤系の中間に位置する塗料であることを表しています。
次に「2液」ですが、塗料はどんなグレードの塗料であっても「1液型」「2液型」に分類されます。
「1液型」は塗料缶1つだけで塗料として使用することができる塗料、「2液型」は主材(塗料)と硬化剤を混ぜ合わせることで使える塗料です。
すなわち、ファイン4Fセラミックは後者の「2液型」に分類される訳ですね。
続いて、「低汚染性」です。
低汚染性とは、外壁や屋根に雨汚れがつきにくい性質を指します。
ファイン4Fセラミックは、塗膜表面の親水性を高めることで塗膜と汚れの間に雨が入り込み、汚れを定着させにくくさせる機能を持っています。
そして最後に「4フッ化フッ素セラミック変性樹脂塗料」です。
塗料の成分を分解した際、素材を構成する最小単位「モノマー」に4つのフッ素原子が含まれている状態を4フッ化フッ素と言います。
また、フッ素系樹脂に無機系樹脂をプラスすることでより高い低汚染性が期待できますが、この無機系樹脂がセラミックであり、フッ素樹脂にセラミックが加えられたのがセラミック変性樹脂です。
ファイン4Fセラミックの耐用年数は15年~20年
ファイン4Fセラミックの耐用年数は15年~20年となっています。
通常のフッ素塗料は、フッ素・炭素・塩素で構成されていますが、この内塩素が塗膜を劣化させる要因になっていました。
しかし、ファイン4Fセラミックは塩素を含まずフッ素と炭素のみで構成されており、不純物が無く結合力が強くなっているので、その分通常のフッ素塗料より高い耐候性を持っています。
特に紫外線に対しては非常に強い耐候性を持っているので、立地的に日当たりが良い建物の塗装に使用するとより効果的に紫外線から建物を守ってくれるでしょう。
様々な外壁材に幅広く対応
どんな塗料であっても外壁材によって向き・不向きがあります。
しかしファイン4Fセラミックは、サイディング・モルタル・ALC・コンクリートといった一般的な外壁材はもちろん、アルミや鉄、ステンレスなどの金属、硬質塩化ビニール、FRPなどにも対応しています。
また、ファイン4Fセラミックはフッ素塗料にも関わらず高い弾性を持っています。
通常のフッ素塗料はその高い耐久性を実現するために、弾性が低い(固い塗料)のが一般的でした。
そのため、フッ素塗料はひび割れ(クラック)が起こっている外壁には不向きでしたが、ファイン4Fセラミックであればその高い弾性のため、ひび割れが起こっている外壁にも対応することが可能です。
ファイン4Fセラミックの価格相場は?
ファイン4Fセラミックの3回塗りの合計単価は、3,000円〜4,200円です。
シリコン塗料の費用相場は1,800~3,000円/m²、ラジカル制御型塗料の費用相場は2,000~3,000円/m²のため、やはり耐久性が優れる分だけ1㎡あたりの単価も高くなっています。
ファイン4Fセラミックが販売される以前は、フッ素塗料は高耐久な分非常に高額な塗料だったため、橋梁など大きな建築物でしか使用されていませんでした。
しかし、ファイン4Fセラミックはそれらのフッ素塗料と比べて3割程度も安い価格で販売がスタートしました。
現在、戸建ての外壁塗装においてフッ素塗料が選択肢に入るようになったのは、このファイン4Fセラミックが一因と言われています。
ファイン4Fセラミックは、戸建て用のフッ素塗料の代名詞とも言える存在なのです。
ファイン4Fセラミックの基本情報
メーカー 日本ペイント 塗料名 ファイン4Fセラミック 一般名称 ターペン可溶2液超低汚染形4フッ化フッ素セラミック変性樹脂塗料 単価 3,000〜4,200円 樹脂 フッ素樹脂 水性/溶剤 弱溶剤系 1液/2液 2液 期待耐用年数 15年~20年 素材 モルタル、コンクリート、ALC、サイディングボード、押出成形セメント板、けい酸カルシウム板、スレート、鉄、アルミ、溶融亜鉛めっき、クロメート処理亜鉛めっき、ステンレス、硬質塩ビ、FRP、PC板 適用下地 セメント素地(コンクリート・モルタル)、金属(鉄面・ステンレス・アルミ)硬質塩ビ、FRPなど JIS JIS A 6909、JIS K 5658、JIS K 5659 機能 高耐候性、低汚染、透湿性、ひび割れ追従性、防藻、防かび、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆ つや つや有り、7分つや有り、5分つや有り、3分つや有り
インターネット上の塗装業者によるファイン4Fセラミックの評判
良い評判
- フッ素塗料と言ったらファイン4Fセラミック!
- トータルコストを考えればファイン4Fセラミックが一番だと思う
- 実際に使ったお客様からの評判がすごく良い
- 対応してる外壁材が多いのはありがたいです
- 本当に高耐久で、過去に不具合があったことがありません
- 塗料が肘や爪につくとなかなか取れないぐらい耐久性が高いです
悪い評判
- つや消しも選べたらもっと良かった
- 施工中は臭いがあるのでお客様に気を遣う
- シリコンに比べて高額になるので気軽にはおすすめできない
ファイン4Fセラミックの特徴や評判 まとめ
実際に外壁塗装として採用したお客様の中でも評判が良いフッ素塗料「ファイン4Fセラミック」について解説してきました。
ファイン4Fセラミックはシリコン塗料やラジカル塗料と比べて割高にはなりますが、塗料の性能としてはトップクラスです。
どんな外壁材であっても長期にわたって美観を維持してくれますが、外壁材の中でも特に耐用年数の長いALCやコンクリートとの相性が良く、外壁材のパフォーマンスを最大限引き出してくれるでしょう。
フッ素塗料として採用実績も多く、塗装後の満足度が非常に高いファイン4Fセラミック。
初めての塗り替えや、比較的新しい建物に使用することで外壁にかけるトータルコストを抑えることができる塗料で、長い目で見た場合には非常にコストパフォーマンスに優れています。
外壁塗装にフッ素塗料の使用を検討されている方には、ぜひ候補に入れていただきたい塗料です。