フッ素塗料ってどんな塗料?特徴や費用相場は?
このページをご覧になっている方は、「フッ素塗料ってどういう塗料なの?」と特徴や費用をが気になっている方だと思います。
おすすめフッ素塗料を説明するには、まずはフッ素塗料とはどういう塗料なのから説明していきましょう。
フッ素塗料ってどんな塗料なの?
フッ素塗料は「シリコン樹脂が原料のシリコン塗料」といったように、その名前の通り「フッ素樹脂を原料に配合した塗料」です。
ちなみにフッ素樹脂は蛍石(ほたるいし)を原料としています。
フッ素樹脂は原子の結合力が非常に強いという特性を持っており、その強固な結合力が塗膜の高耐久性に繋がっています。
このフッ素樹脂には「3フッ化型」と「4フッ化型」の2種類があります。
この内、「3フッ化型」は紫外線に弱いという性質があるため、「4フッ化型」が最も高いグレードに位置付けられています。
他の塗料と比べると価格こそ高価ですが、非常に優れた耐久性・耐候性を持っています。
シリコン塗料の耐用年数はおよそ8~15年と言われていますが、フッ素塗料はおよそ1.5倍、15~20年の非常に長い耐用年数を誇ります。
フッ素塗料は一般住宅にも使用されますが、その耐用年数の長さから、頻繁に塗り替えることができない、もしくは塗り替えが容易ではない大型の建造物で採用されることが多いです。
例を挙げると、
- 東京スカイツリー
- 六本木ヒルズ
- 明石海峡大橋
など、有名な大型建造物でも採用されていますし、航空機などでも使用されています。
また、外壁塗装ではないですがもっと身近な例で言えば、非常に高耐久を誇るフッ素コーティングが施されているフライパンなどもありますね。
これらの例に見られるように、耐用年数が長いということは、塗り替え回数を少なくすることに繋がります。
一度限りの工事価格で考えると高いですが、結果的に外壁にかけるトータルコストを抑えることになるのです。
フッ素塗料以外の主要な塗料、「シリコン塗料」「ラジカル塗料」については、こちらで詳しく解説しています。
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フッ素塗料はこんな人におすすめ
上述の通り、フッ素塗料は非常に高い耐久性・耐候性を持っており、他の塗料と比べても耐用年数の長い塗料です。
そのため、新築から10年程度経過した際に、初めての塗り替えを検討されている方にはおすすめの塗料です。
たしかに一度限りの工事価格で見るとシリコン塗料やラジカル制御型塗料の方がお得になるでしょう。
しかし、フッ素塗料はそれらの塗料よりおよそ1.5倍の耐用年数があるため、外壁にかけるトータルコストで考えた場合には安く抑えられるケースもあります。
例えば新築から30年で考えてみると、シリコン塗料は耐用年数がおよそ8~15年のため、
・新築から10年程度で初めての塗り替え、20年程度で2回目の塗り替え、30年程度で3回目の塗り替えを検討
という流れになるでしょう。
一方でフッ素塗料は耐用年数がおよそ15~20年のため、
・新築から10年程度で初めての塗り替え、25年程度で2回目の塗り替え、立地環境によっては30年程度でようやく2回目の塗り替え
という流れになるのです。
高価な塗料のため、今後住み替えや引っ越しを検討されている方にはあまりおすすめできない塗料ではあります。
しかし、新築でマイホームを建て、「今後数十年にわたって、少しでも長くこの家で暮らしていきたい」という方の初めての塗り替えには非常に適した塗料なのです。
フッ素塗料の費用相場について
フッ素塗料の費用相場は、3,500円~4,500円/㎡が目安となっています。
シリコン塗料の費用相場は1,800円~3,000円/m²、ラジカル制御型塗料の費用相場は2,000円~3,000円/m²のため、やはり耐久性が優れる分だけ1㎡あたりの単価も高くなっています。
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しかし、上述のように人によっては外壁にかけるトータルコストを抑えることができます。
塗装業者にご自身のライフプラン・人生設計を伝え、どの塗料が最もライフプランに適しているのかという点も考慮しながら塗料を選ぶようにしましょう。
フッ素塗料のメリット・デメリットについて
前項では、フッ素塗料がどういった塗料なのかを解説しました。
非常に優れた耐久性・耐候性を持っているのはお伝えしましたが、他にどんなメリット・デメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
フッ素塗料のメリットとは?
繰り返しになりますが、紫外線・雨水・酸性雨、そして気温変化といった様々な自然環境に対して優れた耐久性・耐候性を誇ります。
そのため、シリコンやラジカル制御型塗料より長い耐用年数を持っています。
そして、防藻性・防カビ性にも優れ、親水性も兼ね備えています。
雨が降れば雨水によって汚れが一緒に流れ落ちてくれるので、日頃掃除などしなくても美観を長期にわたって維持してくれます。
また、フッ素塗料は仕上がりに多少の艶が発生します。
他の塗料であれば経年と共に徐々に艶が失われていきますが、フッ素塗料は耐摩耗性にも優れています。
シリコン塗料なら10年経過で艶が2割程度減少しますが、フッ素塗料なら20年経過でも1割しか減少しないというデータもあります。
いつまでも艶がある綺麗な外観が維持されるのも、フッ素塗料のメリットの一つですね。
フッ素塗料のデメリットとは?
フッ素塗料の最大のデメリットは、やはりその費用の高さでしょう。
シリコンやラジカル制御型塗料と比べても1.5倍程度コストがかかるため、気軽には採用しづらい塗料です。
しかし、 「フッ素塗料はこんな人におすすめ」で解説したように、初めての塗り替えを検討されている方であれば、長期的に見れば外壁塗装にかけるトータルコストを抑えることができるケースもあります。
なので一度きりの工事費用で考えるのではなく、塗装業者にも相談しながらご自身のライフプランも考慮して塗料を選ぶようにしましょう。
また、フッ素塗料のメリットの項目で、「親水性が高い」とお伝えしました。
親水性が高いことはメリットではありますが、同時にデメリットにもなり、塗り替えの際に塗膜があまり劣化していなければ、新しく塗り替える塗料の密着性が悪くなります。
そのため、塗り替えの際にはフッ素塗料の塗り替えに適した塗料を選ぶ必要がありますし、塗装前の高圧洗浄、下地のケレン作業をしっかりと行うことが重要になります。
その意味では、フッ素塗料の扱いに慣れた業者を選ぶことがポイントとなるでしょう。
ちなみに、一昔前であれば「フッ素塗料は塗膜が固くなるため、地震の揺れなどによってヒビ割れが起こるから一般住宅には不向き」と言われていました。
しかし、最近では弾性のあるフッ素塗料も販売されているため、昔ほどは心配しなくて良くなったと言えるでしょう。
ただし、塗膜が固いのは事実であり、サイディングや窓・アルミサッシなどの継ぎ目に充填されているコーキングとは相性が良くないです。
コーキングは弾性が高くないとヒビ割れが起こってしまい、ヒビの隙間から雨水が建物内部へと侵入してしてしまう恐れがあるのです。
そのため、通常の塗装工事ではコーキング打ち替えを行った後に塗装作業を進めますが、フッ素塗料では塗装作業をした後にコーキング打ち替えを行うなど作業に工夫が必要になる場合もあります。
これも、フッ素塗料の扱いに慣れた業者を選ぶことが重要となるポイントですね。
実際のお客様が選んだ評判の良いフッ素塗料ランキング
【1位】日本ペイント「ファイン4Fセラミック」
日本ペイントが製造・販売している「ファイン4Fセラミック」が、お客様から最も多くの票を集めました。
実際に使用している職人からも、
・フッ素塗料と言ったらファイン4Fセラミック!
・トータルコストを考えればファイン4Fセラミックが一番だと思う
・実際に使ったお客様からの評判がすごく良い
といった感想が聞かれるように、「フッ素塗料と言ったらファイン4Fセラミック」と言えるくらいフッ素塗料の定番で、その実績、そして扱いやすさ、お客様満足度の高さから厚い信頼を得ているようです。
塩素を含まない「弱溶剤4フッ化フッ素樹脂塗料」で、下地を選ばずに塗装をすることができ、成分がフッ素と炭素のみで構成されているため結合力が強いので通常のフッ素塗料よりも高耐性です。
特に紫外線に強く、日当たりの良い建物でも長期にわたって外壁の劣化を防いでくれます。
また、フッ素塗料にも関わらず高い弾性も兼ね備え、発がん性物質であるホルムアルデヒドの放散等級は最高級のF☆☆☆☆。
その性能・実績・お客様満足度から、多くの塗装業者が「フッ素塗料を希望される方にはまずこれを勧める」というくらい定番のフッ素塗料です。
メーカー 日本ペイント 塗料名 ファイン4Fセラミック 一般名称 ターペン可溶2液超低汚染形4フッ化フッ素セラミック変性樹脂塗料 単価 3,000円〜4,200円 樹脂 フッ素樹脂 機能 高耐候性、低汚染、透湿性、ひび割れ追従性、防藻、防かび、ホルムアルデヒド放散等級F☆☆☆☆ 期待耐用年数 15年~20年 適用下地 セメント素地(コンクリート・モルタル)、金属(鉄面・ステンレス・アルミ)硬質塩ビ、FRPなど
【2位】エスケー化研「クリーンマイルドフッソ」
エスケー化研が製造・販売している「クリーンマイルドフッソ」も、お客様から多くの票を集めました。
「クリーンマイルドフッソ」は、JIS(日本工業規格)の耐候形品質評価の3段階の内、最上級の耐候形1種に相当するという評価を受けており、フッ素塗料の中でもトップクラスの耐候性を有しています。
油性塗料ですがホルムアルデヒドの放散等級は最高級のF☆☆☆☆で、環境にも近隣にも優しいといった特徴も持っています。
エスケー化研は国内シェアNo.1の塗料メーカーなので、この「クリーンマイルドフッソ」も多くの塗装業者に使われ、その実績も十分。
フッ素塗料全体の中で見るとリーズナブルな価格設定でありながら、トップクラスの耐候性・耐久性を持った塗料です。
メーカー エスケー化研 塗料名 クリーンマイルドフッソ 一般名称 超低汚染弱溶剤形ふっ素樹脂塗料 単価 4,000円〜4,500円 樹脂 フッ素樹脂 機能 超低汚染性、超耐久性、透湿性、防藻、防かび、幅広い下地適用性 期待耐用年数 15~20年 適用下地 コンクリート、セメントモルタル、ALCパネル、スレート板、GRC板、押出成形セメント板、各種サイディングボード、各種旧塗膜(活膜)など
【3位】関西ペイント「アレスアクアセラフッソ」
関西ペイントが製造・販売している「アレスアクアセラフッソ」は、塗料に含まれるセラミック成分をカプセルでコーティングした関西ペイントの独自技術「マイクロカプセル技術」が採用されています。
この技術によって塗膜の親水性がより強くなり汚れにくい外壁を実現、汚れが目立ちやすい白やベージュ系の外壁におすすめのフッ素塗料です。
また、高い弾性を持っており、一般的なフッ素塗料の約6倍もの伸縮率のため、地震の際のヒビ割れが起こりにくくなっています。
さらに、「アレスアクアセラフッソ」は2液形の水性塗料のため、塗装工事中の臭いが気になりにくいのもお客様にとってはメリットとなるでしょう。
メーカー 関西ペイント 塗料名 アレスアクアセラフッソ 一般名称 高対候高弾性超低汚染2液形水性フッ素樹脂塗料 単価 4,000円 樹脂 フッ素樹脂 機能 超低汚染性、高耐候性、高弾性、防藻、防かび、水性 期待耐用年数 15年 適用下地 コンクリート、モルタル、ALC
【屋根用】おすすめフッ素塗料ランキング
【1位】エスケー化研「クールタイトF」
エスケー化研が製造・販売している「クールタイトF」は、太陽光線の中で特に放射熱が強い近赤外領域を反射する機能を有し、優れた遮熱性能を実現しています。
高い遮熱性により、夏場の室温上昇を抑制し、空調効率を向上させる効果が期待できます。
また、遮熱性能を持った塗料は「つや消し」が無い塗料がほとんどですが、「クールタイトF」は「つや消し」という選択肢があります。
カラーバリエーションも41色と豊富で、艶タイプも3種類から選べるため、あらゆる外壁との相性が合わせやすくなっています。
また、屋根用フッ素塗料の中では比較的リーズナブルな価格設定となっている点も、多くのお客様に選ばれる理由となっています。
メーカー エスケー化研 塗料名 クールタイトF 一般名称 低汚染・超耐久型ふっ素樹脂系屋根用遮熱塗料 単価 4,700円 樹脂 フッ素樹脂 機能 遮熱、高耐候性 期待耐用年数 10年 適用下地 薄型塗装瓦、トタン屋根、スレート屋根など
【2位】日本ペイント「サーモアイ4F」
日本ペイントが製造・販売している「サーモアイ4F」は、弱溶剤タイプの2液形4フッ化フッ素樹脂塗料で、同社が販売しているサーモアイシリーズの「サーモアイSi(シリコン)」と比較しても耐久力に優れています。
4フッ化型フッ素樹脂を採用しているため非常に高耐久・高耐候、さらに優れた遮熱性を持った屋根用塗料です。
JIS K5675屋根用高日射反射率塗料の規格認証品で、グリーン調達の判断基準を満たしており、太陽光の反射による効果で電気代を最大27%削減したというデータもあります。
高耐久・高耐候によって長期にわたって日射反射率保持率を維持、塗るだけで省エネ効果が期待できる塗料です。
メーカー 日本ペイント 塗料名 サーモアイ4F 一般名称 太陽熱高反射4フッ化フッ素樹脂屋根用塗料(遮熱塗料) 単価 4,500円〜5,000円 樹脂 フッ素樹脂 機能 遮熱、高耐候性 期待耐用年数 15年 適用下地 スレート・波形スレート屋根、金属屋根・トタン、住宅用化粧スレート屋根
お客様が選ぶおすすめフッ素塗料ランキング まとめ
実際にフッ素塗料を外壁塗料として採用いただいたお客様から高い評価を得た、おすすめフッ素塗料ランキングをご紹介しました。
やはり外壁塗装においてはシリコン塗料がスタンダードなため、フッ素塗料を使用した工事はそう多くなく、塗装業者がフッ素塗料をおすすめする際も実績のある定番フッ素塗料を選ぶ傾向にあるようです。
事実、フッ素塗料は外壁用塗料の中では高価なため、まだまだ普及率が低いのが現状です。
しかし、解説のように初めての塗り替え、比較的新しい建物に使用することで外壁にかけるトータルコストを抑えることができる塗料でもあります。
一度きりの工事価格で考えるのではなく、ご自身の今後のライフプランも考慮しながら塗料を選ぶようにしてください。
ただし、普及率が低いため、塗装業者の中にもフッ素塗料の扱いに慣れていない業者がいる点には注意が必要です。
塗装業者の施工実績などを確認し、フッ素塗料の実績がある業者、扱いに慣れた業者を選ぶことが、フッ素塗料での外壁塗装で失敗しないための重要なポイントになるでしょう。
また、今回ご紹介した塗料を扱っている各塗料メーカーの詳細については、こちらの記事で詳しくまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。