外壁塗装や屋根修理で助成金・補助金を受け取れる場合があるのは本当です!
まず結果からお伝えすると、外壁塗装や屋根修理などの住まいのリフォーム工事で助成金・補助金を受け取れる場合があるのは事実です。
工事の内容によって受け取れる金額は異なりますが、最大20万円程度の助成金や補助金を受け取れる場合があります。
具体的な受給条件や申請方法などはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
「助成金で外壁塗装の費用が半額に」「屋根修理が0円に」は誇大広告
ここで注意が必要なのは、最大で20万円程度という点です。
外壁塗装や屋根修理の助成金に関する広告では、「助成金で外壁塗装の費用が140万円→75万円に!」「助成金で屋根修理が実質0円でできた!」といったように、あたかも非常に高額な助成金がもらえたかのように記載されています。
場合によっては、「100万円の外壁塗装・屋根修理が0円に!」など、100万円以上も助成金をもらったかのような悪質な誇大広告も存在します。
しかし実際には、外壁塗装や屋根修理など住まいのリフォームに関する助成金・補助金の制度を設けている自治体のほとんどが、受け取れる金額について、
・工事費用(消費税抜きの額)の10%
あるいは、
・上限20万円
と定めています。
自治体によっては金額がもっと安い場合もありますが、上限は工事費用の10%、もしくは20万円というケースがほとんどです。
広告に記載されているような50万円以上、あるいは100万円以上の高額な助成金・補助金を設けている自治体は現時点では日本全国を探しても存在しません。
これだけでも、外壁塗装や屋根修理などの住まいのリフォーム工事に関する助成金のインターネット広告については嘘・詐欺と言ってしまって良いでしょう。
リフォームに関する助成金制度が無い or 条件が厳しい自治体も多い
また、広告ではあたかも誰でも外壁塗装や屋根修理といったリフォーム工事を行う際には助成金・補助金を受け取れるような口ぶりです。
しかし、リフォームに関する助成金・補助金制度を設けていない自治体も多いのが現状です。
お住まいの自治体がリフォームに関する助成金・補助金制度を設けているかどうかを確認するには、YahooやGoogleなど検索エンジンから「〇〇(自治体名) + 外壁塗装 + 助成金」または「〇〇(自治体名) + 屋根修理 + 助成金」と検索すると、ご自身でもすぐに調べることができます。
一例として、関東地方で人口の多い神奈川県で「神奈川県 + 外壁塗装 + 助成金」と検索してみましょう。
令和4年の時点で、神奈川県で外壁塗装に関する助成金・補助金制度を設けているのは、「三浦市」「座間市」「葉山町」「寒川町」「湯河原町」「清川村」のわずか6つの自治体のみです。
さらに、助成金をもらえると言っても、「三浦市」は7万円、「座間市」は5万円、「葉山町」は3万円といったように、広告に記載されているような50万円〜100万円といった金額には遠く及びません。
33の市町村からなる神奈川県でも、助成金が受け取れるのはわずか6自治体、そして金額も大袈裟に「「知らないと損する〜」と言える額ではありません。
また別の例として、関西地方で人口の多い大阪府はどうでしょう?
令和4年の時点で、大阪府で外壁塗装に関する助成金・補助金制度を設けているのは「大阪市」「泉佐野市」「高槻市」「茨木市」「八尾市」「大東市」「摂津市」「枚方市」「富田林市」「交野市」の10の自治体です。
これだけ見ると神奈川県に比べて多いようにも感じますが、「大阪市」「大東市」「枚方市」「富田林市」については、あくまでも空き家に転居することが前提となっている、「空き家対策を目的とした助成金制度」となっています。
3か月以上〜1年以上空き家となっている建物が対象となっているため、現在住んでいる住まいの塗り替えには利用できない制度です。
また、「高槻市」「茨木市」「八尾市」「摂津市」についても、申請の条件が「親または子世帯が、もう一方と同居するため市内に転入していること」とあるように、親子世帯の同居開始が条件となっているため、気軽に誰でも利用できる制度ではありません。
このように、お住まいの自治体に外壁塗装・屋根修理などリフォームに関する助成金制度が無い、あるいは条件が厳しいというケースがほとんどなのです。
ではなぜ、インターネットの広告では誰でも高額な助成金・補助金が受け取れるような記載がされているのでしょう。
それにはもちろん理由があります。
外壁塗装や屋根修理などリフォームに関する助成金の広告は詐欺?
実のところ、外壁塗装や屋根修理などリフォームに関する助成金の広告を出している塗装業者は、悪徳業者の可能性が非常に高いです。
なぜ、ご自身で調べればすぐに嘘と分かってしまうような誇大広告を出しているのでしょうか?
その理由は一つしかありません。
リフォームに関する誇大広告は『釣り広告』の可能性大!
すぐに嘘とわかってしまうような誇大広告を出している理由は、皆さんにとってお得に感じるような広告を出して集客している、つまりいわゆる『釣り広告」です。
皆さんに「助成金を使えばそんなに安くなるんだ」「損していたかもしれない」と思わせて、その広告を出しているリフォーム業者に問い合わせさせる。
そして、お住まいの自治体に助成金制度が無かったり、申請の対象外だった場合でも、強引な営業によって他社に問い合わせる前にそのまま契約を結ばせる、これが狙いです。
要は、助成金制度の有無に関係無く、とにかく問い合わせさせることが目的という訳ですね。
非常にトラブルが多い外壁塗装や屋根修理の業界において、悪徳リフォーム業者は住まいの些細な劣化具合を強調し、工事の緊急性を煽って強引に契約を結ばせようとします。
悪徳業者と同じように緊急性を強調するのか、お得感を強調するのか、それだけの違いと言えるでしょう。
先程、外壁塗装や屋根修理は皆さんとトラブルが多い業界とお伝えしましたが、助成金・補助金を謳ったリフォーム業者によるトラブルも非常に多いです。
「リフォーム工事がお得になる」「通常の半額、あるいは無料で外壁塗装・屋根修理ができる」と聞いて問い合わせたのに、通常と変わらない工事金額で強引に契約をむすばされるのですから当たり前ですよね。
もしかすると、「結果的に助成金がもらえず安くならなくても、普通の金額で工事ができるんなら良いんじゃないの?」と思われるかもしれません。
しかし、そもそも嘘をついて、詐欺まがいの行為を行なっているようなリフォーム業者に信用して工事を任せることができるでしょうか?
外壁塗装や屋根修理などリフォームに関する助成金・補助金の広告は基本的には誇大広告であり、内容も嘘ばかりなので注意してください。
信用できる外壁塗装・屋根修理の助成金に関する広告とは?
前項で、外壁塗装や屋根修理などのリフォームに関する助成金の広告を出しているリフォーム業者は、悪徳業者の可能性が非常に高いとお伝えしました。
しかし、すべての業者が悪徳業者だとは断言できず、中には信用できる優良業者もいます。
では、どのような業者が信用できるのでしょう?
まず第一に、インターネット広告ではなく、紙媒体のチラシを地域に配っている地元の業者です。
地元のリフォーム業者の場合、当然地元の自治体にリフォームに関する助成金・補助金制度があるのか無いのかを把握しています。
制度がちゃんとある場合、「助成金の申請をサポートします!」といったように自社の強みとしてアピールできますし、無い場合は当然チラシに助成金について記載したりはしません。
地域に根付いて活躍している業者は、地元の皆さんからの信頼や評判を大切にしています。
何より、地元の皆さんにとって所在地もわかっている身近な業者になるので、広告に嘘の記載をしてしまえば信用の失墜に直結する訳ですから、決して嘘の記載はしないでしょう。
次に信用できるポイントとして挙げられるのが、助成金で受け取れる金額を明記しているかどうかです。
インターネット広告の場合、日本全国の誰が見ているかわからないので、助成金で受け取れる具体的な金額を記載することは絶対にできません。
自治体によって助成金の金額は異なりますし、そもそも広告を見ている人が住んでいる自治体に助成金があるのかなどわからないので当然ですね。
しかし、上記のような地元の業者が紙媒体として作ったチラシには、助成金の額が記載されているケースが多いです。
自社の施工エリアに助成金制度があるのかをしっかりと調べ、ある場合には「助成金で最大10万円お得に!」など金額もしっかり明記されています。
インターネット広告のように、「外壁塗装の費用が半額に」「100万円以上得をする」といったような曖昧・大袈裟な広告というのは見たことがありません。
まとめると、
・地元に根付いたリフォーム業者が作った「助成金の金額」がちゃんと明記されている広告・チラシ
は信用しても良いと言えるでしょう。
外壁塗装・屋根修理の助成金に関する広告で注意すべき3つのポイント
ここまで、「外壁塗装・屋根修理に関する助成金の広告を出しているリフォーム業者は悪徳業者の可能性が非常に高い」とお伝えしました。
改めて、ぜひ覚えておいていただきたい、外壁塗装・屋根修理の助成金・補助金に関する広告について注意すべき3つのポイントについてご紹介します。
「お得になる」「損をしている」といった誇大広告を鵜呑みにしない
繰り返しになりますが、助成金・補助金に関する広告のほとんどは嘘・詐欺です。
決して鵜呑みにして、「そんなにお得になるんだ」「損してたのかもしれない」と信用しないでください。
本当に誰でも容易に外壁塗装や屋根修理の費用を抑えることができるのであれば、あらゆるリフォーム業者がそのことをアピールしているはずですし、もっと一般にも認知されているはずです。
あり得ない話を大袈裟に宣伝することで、皆さんにとって目新しく映っているだけなのです。
残念ながらそんな美味しい話はありませんので、注意してください。
最初に問い合わせた一社とすぐに契約を結ばない
もし、広告を出しているリフォーム業者に問い合わせたとしても、決してすぐにその業者と契約を結ばないでください。
外壁塗装や屋根修理などのリフォーム工事においては、「相見積もり」をするのが鉄則です。
複数の業者から見積もりをとり、内容や金額を見比べることで悪徳業者の嘘や手抜き工事を見破ることができます。
悪徳業者は、「今すぐ工事をした方がいい」などと言って契約を急かしてきますが、現在進行形で雨漏りが起こっているといった場合を除いて、1週間や半月程度工事が先延ばしになったとしても住まいには何の影響もありません。
言い換えれば、半月程度は別の複数業者を探し、問い合わせて見積もりをとるくらいの時間はあるということです。
契約を急かしてくる業者ほど、裏に何か隠しているものです。
最初に問い合わせた一社とすぐに契約を結ぶようなことは決してしないでください。
もし外壁塗装・屋根修理で詐欺に合った時には?
万が一、工事の内容や金額に納得がいかないまま契約を結ばされた場合は、契約してから8日以内なら「クーリングオフ制度」が活用できます。
業者に対して電話で「解約します」と伝え、内容証明郵便で解約通知書を送付すれば良いのです。
もし契約してから8日が過ぎてしまっている場合は消費生活センター、あるいは住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談するようにしてください。
一人で悩んでいても時間が過ぎるばかりで解決しないトラブルは多いものです。
一人で悩まず、1日でも早く相談しトラブルを解決できるようにしましょう。
「外壁塗装や屋根修理の「助成金で安くなる」は詐欺? まとめ
外壁塗装や屋根修理といった大掛かりは工事は、どうしても工事費用が高額になりがちです。
だからこそ「お得になる」「安くなる」「知らないと損」といった費用に関する広告・チラシは気になってしまうものです。
詐欺被害を防ぐためには、皆さんご自身が「詐欺にはどんな手口があるのか?」を知っておくことが非常に重要です。
初めて耳にする情報にはつい騙されてしまいがちですが、すぐに鵜呑みにするのではなく、まずは「そんな美味しい話が本当にあるのか?」と疑うことが肝心です。
「外壁塗装 詐欺」「屋根修理 詐欺」「助成金 詐欺」で検索すれば、色々な情報が出てくるので目を通しておくのも良いでしょう。
外壁塗装・屋根修理を含む建築業界は、残念ながら詐欺被害が本当に多い業界です。
正しい知識・情報を身につけ、悪徳リフォーム業者に騙されることなく、後悔の無いリフォーム工事をしていただければと思います。