外壁塗装・屋根修理に火災保険を適用できるのは本当です!ただし注意すべきポイントも!
外壁塗装・屋根修理に火災保険は適用される?条件や注意点を徹底解説
こちらの記事で詳しく解説していますが、外壁塗装・屋根修理に火災保険を適用できるのかについて少しおさらいします。
近年、「火災保険を使って外壁塗装を無料で」「火災保険で屋根修理がお得になる」といった広告やチラシを至るところで目にします。
皆様も「本当に無料、あるいはお得に工事ができるの?」と思われるかもしれませんが、外壁塗装・屋根修理に火災保険が使えるのは事実です。
しかし注意すべきは、火災保険を使って外壁塗装や屋根修理などのリフォーム工事が『できる場合もある』のが正確な表現という点です。
広告やチラシなどでは、現場を見る前から「確実におりる」「絶対保険が使える」と謳っていますが、これは完全に虚偽です。
外壁塗装や屋根修理に火災保険が適用されるかどうかを決定するのは、皆様が加入されている保険会社であり、広告を出しているリフォーム業者ではありません。
ではなぜリフォーム業者は「確実に〜」「絶対〜」と断言しているのでしょう?
答えは簡単で、断言してしまった方が皆様にとっては魅力的に見え、広告を出している業者へ問い合わせする人が増えるからです。
分かりやすく言ってしまえば、「釣り広告」ですね。
こういった広告を出している業者にとっては、実際に保険金がおりるかどうかは問題ではありません。
もし保険金がおりなくても、「契約して工事は着工してしまってるので、代金は支払ってください」と冷たい対応をされてしまうでしょう。
外壁塗装・屋根修理で火災保険を使おうとご検討中の方は、保険金がおりることが確実になり、いくらおりるのかがわかった段階で契約を交わすようにしましょう。
外壁塗装・屋根修理に火災保険が適用される4つの条件と注意点
前項で「火災保険を使って外壁塗装・屋根修理ができる場合もある」とお伝えしましたが、どんなリフォーム工事でも気軽に利用できる訳ではありません。
次の4つの条件の内、一つでも満たしていない項目がある場合は、保険金がおりることはありません。
外壁塗装・屋根修理に火災保険が適用される4つの条件は次の通りです。
- 外壁や屋根に生じた被害が災害によるもの
- 被災から3年以内の申請
- 工事費用が免責金額を超えていること
- 保険加入者自身が申請を行うこと
この内、「被災から3年以内の申請」と「工事費用が免責金額を超えていること」については、比較的クリアしやすい条件となっています。
被災によって外壁や屋根に何かしらの被害が発生した場合、放置すれば3年以内に何かしら別の被害が発生します。
そのため、「被災から3年以内」という期限を超過するケースはあまりありません。
また、火災保険の免責金額は加入されている保険によって違いがありますが、およそどの保険であっても20万円程度に設定されています。
外壁塗装・屋根修理では、コーキングの一部打ち直しや部分的な塗装工事、または部分的な雨樋修理、瓦の一部差し替えといった軽微な工事以外、ほとんどの場合で足場が設置されます。
この足場費用だけでも平均15〜20万円ほど必要になるので、工事費用が免責金額を下回ることはほとんど無いのです。
注意すべきは、「外壁や屋根に生じた被害が災害によるもの」、そして「保険加入者自身が申請を行うこと」の2項目です。
前項で解説したように、広告やチラシではあたかもどんなリフォーム工事でも火災保険が「絶対に」「確実に」に使えるような口ぶりです。
しかし実際には、火災・風災・雪害・落雷・雹(ひょう)災といった災害によって外壁や屋根に被害が生じた場合にのみ保険が適用されます。
つまり、災害以外の原因による被害、例えば経年劣化による被害では保険の補償は受けることができません。
そして、本当に災害による被害なのかどうかを調査するのはリフォーム業者ではなく保険会社の調査員です。
もし本当に災害による被害であっても、経年劣化がひどく被害状況が判別しにくいような場合には、保険金がおりないといった事例も多くあります。
現場を見る前から「絶対に」「確実に」と断言するような業者を信用しないようにしてください。
そして「保険加入者自身が申請を行うこと」、これも注意が必要な項目です。
悪質な業者の中には、「申請代行」を申し出てくるような業者もいますが、申請はあくまでも皆様ご自身で行なってください。
「申請代行」を申し出るような業者は、例えば本来100万円の工事であっても施主様に黙ったまま150万円で申請し、50万円分の保険金を騙し取ろうとする恐れがあります。
そういった詐欺行為に保険会社が気づいた場合、告訴されるのは業者だけでなく施主も含まれるのです。
色々と書類が必要になったりと煩わしい火災保険の申請ですが、必ず皆様ご自身で行なうようにしてください。
外壁塗装・屋根修理に火災保険が適用される条件と注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。
外壁塗装・屋根修理に火災保険は適用される?条件や注意点を徹底解説
外壁塗装・屋根修理における火災保険申請の流れ
外壁塗装・屋根修理において火災保険を申請する際は、以下のような流れで手続きが進んでいきます。
- 加入している火災保険の種類の確認
- 塗装業者に連絡し、見積もりを作成してもらう
- 保険会社に連絡し、必要書類を作成する
- 必要書類を保険会社に送り、保険金の請求申請を行う
- 申請を受けた保険会社の損害鑑定人が現場を調査する
- 申請内容が認められれば、保険金が支払われる
それぞれの項目の詳細を見ていきましょう。
加入している火災保険の種類の確認
まずはお持ちの保険証券で、加入されている火災保険の種類を確認しましょう。
加入している保険によって、補償されている範囲が変わってきます。
建物が受けた被害が火災保険の対象範囲に入っているか、事前に確認しておきましょう。
業者に連絡し、見積もりを作成してもらう
次に、リフォーム業者に連絡をし、現地調査を依頼しましょう。
そして、被害状況を確認してもらい、見積もりを作成してもらいます。
保険会社への申請は施主様の好きなタイミングで行えますが、見積書は後の保険金額の審査で必要となるので、いずれにしても見積書の作成は必要となります。
現地調査を依頼する際、「火災保険の利用を検討している」と伝えておくとよりスムーズです。
保険会社に連絡し、必要書類を作成する
リフォーム業者から見積書を受け取ったら、保険会社に連絡をし、必要書類を準備しましょう。
申請に必要となる書類については、加入されている火災保険会社のホームページやパンフレットなどにも記載されています。
保険申請に必要となる書類は保険会社によって若干異なりますが、以下のような書類になります。
- 保険金の請求書
- 修理工事の見積書
- 事故の報告書
- 被害の状況がわかる写真
前項で解説したように、工事費用が免責金額を下回っていれば保険金はおりません。
業者から見積もりをもらった時点で、見積もり金額と免責金額を確認しておきましょう。
また、写真は現地調査の際に塗装業者に依頼すれば撮影してもらうことができます。
特に屋根の上などはご自身で撮影すると非常に危険なので、できるだけ業者に撮影してもらうようにしてください。
必要書類の内、「事故の報告書」についてはご自身で作成することもできます。
報告書には下記の内容が必要となります。
- 保険契約者の氏名
- 保険証書番号
- 被害の発生日時
- 被害の状況・被害が発生した原因
- 被害のあった建物の住所
- 被害箇所を示した見取り図
必要書類を保険会社に送り、保険金の請求申請を行う
保険会社が定める必要書類が揃えば、書類を保険会社に送って保険金の請求申請を行ないましょう。
書類の提出は、保険会社へ直接提出してももちろん問題ありませんが、契約の際に窓口になった代理店でも大丈夫です。
書類提出が終われば、施主様が行う申請作業は完了です。
必要書類の作成は業者が代行してくれる場合もありますが、この申請作業は必ず施主様ご自身で行うようにしてください。
保険加入者本人以外の申請は禁止されていますし、「申請代行」を謳うような業者にお願いしてしまえば、見積もり金額の水増しなど虚偽の申請をされる恐れもあります。
虚偽申請に保険会社が気づいた場合、告訴の対象は業者だけでなく保険加入者である皆様も含まれてしまいます。
「申請代行」は利用しないこと、そしてそもそも「申請代行」を謳うような業者に依頼しないようにしてください。
申請を受けた保険会社の損害鑑定人が現場を調査する
申請を行えば、保険会社から損害鑑定人が現地調査にやって来ます。
そして、申請内容をもとに被害状況を調査し、自然災害による劣化なのか?経年による劣化なのか?などを確認します。
その後、被害状況に応じた補償額を算定し、報告書を作成し保険会社に報告します。
損害鑑定人とは?
鑑定人は、保険会社から委託を受けて、保険の対象である財物(建物・家財等)の保険価額(時価額)の評価、火災や地震が発生した場合の損害額の算定、事故状況・原因の調査ならびにそれらに関連する一連の業務を行います。
また、一般社団法人 日本損害保険協会(以下「損保協会」という。)が実施する損害保険登録鑑定人試験(以下「鑑定人試験」という。)に合格し、登録された方を損害保険登録鑑定人(以下「登録鑑定人」という。)といいます。
申請内容が認められれば、保険金が支払われる
鑑定人による調査を保険会社が精査し、保険会社が保険の適用範囲だと認定すれば受給が確定し、保険金が支払われます。
基本的に保険金の支払いは、申請手続き完了日から数えて30日以内に行われます。
申請や鑑定人による調査がスムーズに進めば、一週間程度で振り込まれる場合もあります。
しかし、台風などの災害後は申請が集中しやすくなってしまうため、申請の内容確認が遅くなり支払いが遅れてしまうケースもあるので注意が必要です。
保険金が振り込まれるのは申請の内容やタイミングによってバラバラなので、場合によっては保険金が振り込まれるより先に、工事費用を支払いが必要となることがあります。
申請が通っていれば必ず振り込まれるので、業者に相談して支払いを待ってもらったり、立て替えたりして対応しましょう。
火災保険の申請はリフォーム業者に相談しよう
解説の通り、申請に必要となる書類にはご自身で用意できるものもありますが、リフォーム業者に作成してもらわなければならない書類もあり、必ず業者の力を借りなければなりません。
リフォーム業者のほとんどが申請のサポートをしてくれるので、無理にご自身ですべて進めようとせず、業者に相談しながら申請を進めましょう。
ただし、
・申請しても必ず保険金がおりる訳ではないので、「絶対に」「確実に」といった言葉を使う業者を信用しない
・『申請代行』は利用しない、そもそも『申請代行』を謳う業者には依頼しない
この2点だけは忘れないでください。