外壁塗装の悪徳業者、その手口と騙されない方法をプロが解説

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外壁塗装の悪徳業者、その手口と騙されない方法をプロが解説

外壁塗装の悪徳業者、その手口と騙されない方法をプロが解説

外壁塗装は、安くても数十万円、高い場合だと百万円以上もの費用がかかる大きな買い物です。
だからこそ、知識のない消費者をカモにしようと、あの手この手で近づいてくる悪徳外壁塗装業者が後を絶たない現実があります。
悪徳業者は、あなたの不安や焦る気持ちに巧みにつけ込み、本来であれば不要な高額な契約を結ばせたり、手抜き工事で利益を上げたりします。
そして、数年後に塗装が剥がれて初めて、ようやく騙されていたことに気づくのです。

この記事では、塗装工事の専門家の視点から、悪徳業者が使う代表的な手口、そして彼らから身を守るための具体的なチェックポイントと対処法まで、ご自身と住まいを守るための知識を徹底的に解説します。

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【要注意】悪徳外壁塗装業者の代表的な7つの手口とトーク例も紹介

【要注意】悪徳外壁塗装業者の代表的な7つの手口とトーク例も紹介

悪徳外壁塗装業者の手口は、一見すると非常に親切で、魅力的な提案に聞こえることがほとんどです。
しかし、その裏には巧妙なワナが隠されています。
ここでは、彼らが使う代表的な7つの手口を、具体的なセールストークの例と共に見ていきましょう。

「キャンペーンで今だけ無料」など、異常に安い価格での勧誘

「足場代無料キャンペーン実施中です!」「今ならモニター価格で半額に!」といった、異常な価格の安さをアピールする手口です。
しかし、職人の安全を守るための必須設備であり、十数万円以上の費用がかかる足場代が「無料」になることなどあり得るでしょうか。
答えはノーです。
無料になった分の費用は、塗料代や人件費など他の項目に上乗せされているか、あるいは必要な工程を省く手抜き工事でコストを削減しているかのどちらかです。
このような耳障りの良い言葉で顧客を釣ろうとする外壁塗装業者に、誠実な工事は期待できません。

「このままでは危険です」と過剰に不安を煽るセールストーク

突然訪問してきて、「お宅の壁、かなり劣化が進んでいますね。このままでは雨漏りして大変なことになりますよ」などと、専門用語を交えながら過剰に不安を煽り、契約を急がせるのは古典的ですが非常に効果的な手口です。
特に、無料点検を申し出て、屋根裏や床下に入り込み、「シロアリが発生している」「柱が腐っている」などと、見えない部分の危機を訴えてくる場合は要注意です。
その場で撮影したという写真を見せてくることもありますが、それが本当にあなたの家の写真である保証はどこにもありません

「近所で工事中なので特別に」を理由にした、あり得ない大幅値引き

「すぐそこのお宅で工事をしている者ですが、今なら足場を共有できるので、特別に50万円値引きします」というのも、非常によくある手口です。
確かに近隣で同時に工事を行えば、塗料や資材の運搬効率が上がり、多少のコストダウンは可能かもしれません。
しかし、足場は一軒一軒の家の形に合わせて組むものであり、共有はできません
50万円といったあり得ないほどの大幅な値引きは、元々の見積もり金額が不当に高く設定されている「二重価格」である可能性が極めて高いと言えます。
「お得感」を演出し、冷静な判断力を奪うための典型的なテクニックです。

「自社開発のオリジナル塗料」など、正体不明の高品質アピール

「これは当社が独自に開発した、30年もつ塗料です」などと、市販されていないオリジナル塗料を勧めてくる外壁塗装業者にも注意が必要です。
聞こえは良いですが、そのほとんどは市販の安価な塗料のラベルを貼り替えただけの、品質の低い塗料です。
大手塗料メーカーは何十年という歳月と莫大な開発費用をかけて新しい塗料を開発します。
一介の塗装業者が、それを上回る性能の塗料を安価に開発できるはずがありません
性能の客観的なデータも存在しないため、もし数年で劣化しても「そういうものです」と言い逃れされてしまうだけです。

「今日決めてくれれば…」とその場での契約を執拗に迫る

「このキャンペーン価格は今日までです」「明日からはこの金額ではできません」などと、様々な理由をつけてその場での契約を執拗に迫るのは、悪徳業者の常套手段です。
彼らが契約を急がせる理由はただ一つ、あなたに他の業者と比較検討されたり、家族に相談されたりすると、嘘やごまかしがバレてしまうからです。
本当に自分の工事品質に自信を持っている優良業者であれば、顧客が納得するまでじっくりと考える時間を与えてくれるはずです。
契約を急がせる外壁塗装業者からは、その場ですぐに離れるのが賢明です。

詳細が不明な「一式」見積もりで、後から追加請求

見積書の内訳が非常に大雑把で、「外壁塗装工事 一式 〇〇円」といった記載しかない場合も危険です。
どのメーカーのどの塗料を、どれくらいの面積に、何回塗るのか、といった工事の根幹となる情報が全く分かりません。
このような見積もりを出す業者は、工事が始まってから「ここは見積もりに入っていなかったので追加費用が必要です」などと、次々に追加料金を請求してくる可能性があります。
最終的には、最初に他の優良業者が提示した金額より、はるかに高額になってしまうケースも少なくありません。

「火災保険を使えばタダになる」という違法な提案

「台風で壊れたことにすれば、火災保険が使えるので実質無料で工事できますよ」と、火災保険の悪用を勧めてくる業者が近年増えており、大きな社会問題となっています。
火災保険の風災補償は、あくまで自然災害による損害を補償するものであり、経年劣化は対象外です。
経年劣化を災害のせいだと偽って保険金を請求する行為は、保険会社を騙す「保険金詐欺」という犯罪です。
言われるがままに申請に同意すれば、業者だけでなく、契約者であるあなた自身も詐欺の共犯者として罪に問われる可能性がある、極めてリスクの高い行為です。

なぜ騙されてしまうのか?悪徳外壁塗装業者が巧みに利用する3つの心理術

なぜ騙されてしまうのか?悪徳外壁塗装業者が巧みに利用する3つの心理術

これらの手口を知っても、「自分は大丈夫」と思ってしまうかもしれません。
しかし、悪徳外壁塗装業者は、私たちが無意識に持っている心理的な傾向を巧みに利用してきます。
なぜ騙されてしまうのか、その裏側にある3つの心理術を知っておきましょう。

権威性:「大手メーカーの認定」「新技術」という肩書きに弱くなる心理

人は、専門家や権威のある人の意見を信じやすい傾向があります。
悪徳業者はこれを利用し、「〇〇塗料メーカーの認定施工店です」という証明書を見せたり、「これは大学と共同開発した新技術で…」といった、もっともらしい肩書きをアピールしたりします。
しかし、それらが本当に価値のあるものかは分かりません
肩書きや言葉の響きに惑わされず、その内容を客観的に評価する冷静さが必要です。

社会的証明:「ご近所の〇〇さんもやっています」という安心感のワナ

人は、周りの人と同じ行動を取ることで安心感を得る「社会的証明」という心理が働きます。
すぐそこの〇〇さんのお宅も、うちで工事させていただきました」と言われると、「みんながやっているなら大丈夫だろう」と、つい信用してしまいがちです。
しかし、その話が本当かどうかも分かりませんし、仮に本当だとしても、その工事が適切なものであったという保証はどこにもありません

返報性:「無料でここまで点検してあげたのだから」という罪悪感の利用

人は他人から何か施しを受けると、「お返しをしなければ申し訳ない」と感じる「返報性の原理」という心理が働きます。
悪徳業者は、「無料で屋根の点検をしてあげますよ」と親切を装って近づき、時間をかけて丁寧に点検するふりをします。
そして最後に、「ここまで見てあげたのだから、契約してくれますよね?」と、無言の圧力をかけてくるのです。
この罪悪感から、断りきれずに契約してしまうケースは非常に多いのです。

悪徳外壁塗装業者を契約前に見抜くための8つのポイント

悪徳外壁塗装業者を契約前に見抜くための8つのポイント

では、具体的にどうすれば悪徳外壁塗装業者から身を守れるのでしょうか。
ここでは、業者と話をする際に、あなたが確認すべき8つのチェックポイントをご紹介します。
一つでも「ノー」があれば、その塗装業者は避けるべきです。

会社の所在地が明確で地域での実績が豊富か

会社のパンフレットやホームページに、固定電話番号と、事務所の住所が明確に記載されているかを確認しましょう。
携帯電話の番号しか記載がない、住所が架空のバーチャルオフィスであるといった場合は論外です。
また、その地域で長く営業しており、具体的な施工事例をすぐに見せてくれるかどうかも、信頼性を測る重要な指標です。

建設業許可や塗装技能士などの資格を保有しているか

外壁塗装工事を行う上で、必ずしも資格が必要なわけではありません。
しかし、500万円以上の工事を請け負うために必要な「建設業許可」や、職人の技術力を証明する国家資格である「塗装技能士」などを保有しているかどうかは、その業者の法令遵守の意識や技術レベルを客観的に判断する材料となります。

詳細な内訳(塗料名・塗装面積・単価)が記載された見積書か

「一式」表記ではなく、「塗料名(メーカー・製品名)」「塗装面積(㎡)」「単価」「数量」などが項目ごとに細かく記載されているか、必ず確認しましょう。
特に、塗装面積の算出根拠を尋ねた際に、明確に答えられない業者は信用できません

塗料メーカーの保証とは別に、自社独自の「工事保証」があるか

塗料の性能に対する「メーカー保証」と、工事の品質に対する「自社保証」は全くの別物です。
優良業者は、自社の施工品質に責任を持つ証として、工事後に「〇年間は施工が原因の不具合に対応します」という内容の、自社発行の保証書を提出してくれます
この保証書の有無は、信頼性を見極める大きなポイントです。

契約を急がせず、こちらの質問に誠実に答えてくれるか

こちらの疑問や不安に対して、専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で丁寧に説明してくれるでしょうか。
そして何より、その場で契約を迫ることなく、「ご家族とよく相談して、ゆっくりご検討ください」という姿勢を見せてくれるでしょうか。
顧客の立場に立った誠実なコミュニケーションが取れるかどうかが重要です。

クーリング・オフについて書面で明確に説明するか

訪問販売など、特定の契約方法においては、契約後8日以内であれば無条件で解約できる「クーリング・オフ制度」が法律で定められています。
まっとうな業者であれば、契約時にこの制度について書面で説明してくれます
この説明を怠ったり、曖昧にしたりする業者は、法律を守る意識が低いと言わざるを得ません。

極端な値引きや「無料」をアピールしてこないか

「足場代無料」「モニター価格で半額」といった、異常な価格訴求をしてくる業者は、その時点で警戒すべきです。
適正な利益なしに、高品質な工事と長期的な保証を提供し続けることは不可能です。
魅力的な言葉の裏には、必ず何かしらのリスクが隠れていると考えるべきです。

相見積もりを快く受け入れてくれるか

「他の業者さんにも見積もりを取って、比較しているのですが…」と伝えた際の反応を見てみましょう。
優良業者であれば、「もちろんです。ぜひ弊社の提案内容と比較してみてください」と、快く応じてくれるはずです。
逆に、「うちに決めてくれるならもっと安くしますよ」などと言って相見積もりを妨害しようとしたり、嫌な顔をしたりする業者は、自社の提案に自信がない証拠です。

悪徳外壁塗装業者による手抜き工事例

悪徳外壁塗装業者による手抜き工事例

もし悪徳外壁塗装業者に依頼してしまった場合、どのような手抜き工事が行われるのでしょうか。
これらは塗装の寿命を著しく縮める、致命的な欠陥に繋がります。

高圧洗浄の省略・時間短縮

塗装前には、高圧洗浄機で外壁の汚れや古い塗膜を徹底的に洗い流す必要があります。
この工程を省略したり、洗浄時間を大幅に短縮したりすると、新しい塗料が壁にしっかりと密着せず、わずか1~2年で剥がれてくる原因となります。

下地処理(ひび割れ補修など)の省略

外壁のひび割れや欠損部分を補修せず、そのまま上から塗料を塗りつけてしまう手抜き工事です。
見た目は一時的に綺麗になりますが、内部のひび割れは残ったままなので、すぐに同じ場所からひび割れが再発し、そこから雨水が侵入してしまいます。

塗料を規定以上に薄める

塗料メーカーは、塗料の種類ごとに、性能を最大限に発揮するための希釈率を定めています。
しかし、悪徳業者は材料費を浮かせるために、規定以上のシンナーや水で塗料を薄めることがあります。
薄められた塗料は耐久性が著しく低下し、本来10年もつはずの塗料であっても、わずか数年で色褪せや剥がれを引き起こします

乾燥時間を守らない・塗り回数を減らす

外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りが基本であり、それぞれの工程で塗料が完全に乾くのを待つ「乾燥時間」が必要です。
人件費と工期を削減したい悪徳業者は、この乾燥時間を無視して次の塗装を重ねたり、中塗りを省略して2回塗りで終わらせたりします。
本来必要な工事工程を省くことにより、塗膜の密着不良や早期の劣化、色ムラなどが発生します

もし悪徳外壁塗装業者と契約してしまったら?すぐにやるべき対処法と相談先

万が一、悪徳外壁塗装業者と契約してしまった場合でも、諦めるのはまだ早いです。
すぐに取るべき行動と、頼れる相談先を知っておきましょう。

【8日以内なら】無条件で解約できる「クーリング・オフ制度」

訪問販売や電話勧誘販売で契約した場合、契約書面を受け取った日から数えて8日以内であれば、消費者は一方的に、かつ無条件で契約を解除することができます。
これが「クーリング・オフ制度」です。
解約の理由は一切必要なく、支払ったお金は全額返金され、違約金なども発生しません。
手続きは、必ず電話ではなく内容証明郵便などの「書面」で行うことが重要です。

クーリング・オフ期間が過ぎてしまったら?

8日間のクーリング・オフ期間が過ぎてしまった場合でも、契約の無効や取り消しを主張できる可能性があります。
例えば、業者が「絶対に儲かる」といった事実と異なる説明(不実告知)をしたり、消費者の不利になる情報を意図的に伝えなかったり(不利益事実の不告知)した場合などです。
ただし、これを個人で証明し、業者と交渉するのは非常に困難です。

どこに相談すればいい?「消費生活センター」「住まいるダイヤル」などの公的機関

業者とのトラブルで困った場合は、一人で悩まず、すぐに専門の相談機関に連絡しましょう。
全国の市区町村に設置されている「消費生活センター(消費者ホットライン:局番なしの188)」では、契約トラブルに関する相談を受け付け、解決のための助言やあっせんを行ってくれます。
また、国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口である「住まいるダイヤル(電話番号:0570-016-100)」では、リフォームに関する技術的な相談や、業者とのトラブルに関する相談が可能です。

まとめ:正しい知識を持って焦らず・比較し・慎重に塗装業者を選ぼう

今回は、外壁塗装における悪徳業者の手口と、その対策について詳しく解説してきました。

彼らの手口は年々巧妙化しており、「自分だけは大丈夫」という油断が、最も危険なワナとなります。
しかし、その手口の多くは、この記事で紹介したような決まったパターンに基づいています。
そして、彼らが最も嫌うのは、冷静に比較検討し、知識を持って交渉に臨む消費者です。

その場で決めない」「すぐに契約しない」「必ず複数の業者を比べる」。この3つの鉄則を守るだけでも、悪徳業者に騙されるリスクは劇的に減少します。

外壁塗装は、あなたの大切な家を守るための重要なメンテナンスです。
焦らず、じっくりと比較検討し、心から信頼できるパートナーを見つけて、後悔のない塗装工事を実現してください。

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